Letter 環境:統治と生物多様性の損失 2003年11月6日 Nature 426, 6962 doi: 10.1038/nature02025 世界の生物多様性の大部分は、生物保全能力を備えるために資金援助組織からの支援を必要とする発展途上諸国の国土内にある。残念ながらこうした国々の一部では政治的腐敗が進んでおり、これが実際使える援助資金額を減らしたり、行政上の優先順位をゆがめたりして生物保全計画の成功の足かせとなっている可能性がある。我々は、詳しく調査され広域にまたがる生物多様性の3つの要素について、それらの変動が統治のレベルを示す指数や他の社会−経済尺度と相関しているかどうかを調べた。そして本論文で、統治の指数は総森林面積の変動と相関していたが、自然林面積の変動とは相関が見られなかったことを示す。また、統治の指数とアフリカゾウおよびクロサイの数の変動とに強い相関性が見られ、この社会−経済要因は、観察された変動パターンを他のどれよりもうまく説明することも見いだした。最後に我々は、生物種が豊富で生物保全の優先地域を含むと認定された国々は、他の国々に比べて統治の指数が低いことを明らかにする。これらの結果は、生物保全活動に携わる人々が政治的腐敗の影響を低減させる方策を考え出し実行する必要性があることを強調するもので、この点を考慮すると、絶滅危惧種の国際取引を禁ずるという現在主流の生物保全策を普遍的に適用していいものかどうか疑問である。 Full Text PDF 目次へ戻る