Letter 物性:強誘電体分極の磁気制御 2003年11月6日 Nature 426, 6962 doi: 10.1038/nature02018 電場によって磁化が誘起され、磁場によって分極が誘起されるという電気磁気効果は、ピエール・キュリーによって最初にその存在が推定され、その後、1960年代、70年代に多大な関心を集めた。最近では、磁性強誘電体についての関連研究が、この現象への興味の再燃を示している。応用という観点からすると、電気特性と磁気特性の相互制御は魅力的な可能性をもつが、候補物質の数は限られており、効果が小さすぎて実用化が困難な場合が多い。今回我々は、ペロブスカイト型マンガン酸化物であるTbMnO3において強誘電性を発見したので報告する。このとき、スピンフラストレーションの効果で正弦波的な反強磁性秩序が生じる。変化した磁気構造には、磁気弾性的に誘起される格子の変調が伴い、また、自発分極が現れる。我々は、この磁性強誘電体TbMnO3において巨大な電気磁気効果と磁気容量効果を見いだした。これらは、磁場によって誘起される電気分極のスイッチングによると考えられる。このように、フラストレーションをもつスピン系は電気磁気効果物質探索の新たな領域となる Full Text PDF 目次へ戻る