Letter 構造生物学:結晶構造から見たブタのオステオカルシンの骨認識機構 2003年10月30日 Nature 425, 6961 doi: 10.1038/nature02079 オステオカルシンは骨に最も豊富に含まれる非コラーゲン性タンパク質で、その血清中濃度は骨代謝と密接に関係しており、骨疾患の臨床評価の生物学的マーカーとして用いられている。その作用の正確なメカニズムは明らかではないが、オステオカルシンは骨の石灰化に影響をおよぼす。それには骨の無機成分であるヒドロキシアパタイトに高い親和性で結合できることが関与している。ヒドロキシアパタイトへの結合に加え、オステオカルシンには細胞シグナル伝達や、骨吸収と骨形成でそれぞれ能動的な役割をもつ破骨細胞と骨芽細胞の動員における機能もある。本研究で我々は、ブタのオステオカルシンの2.0Å分解能でのX線結晶構造を示す。この構造から、タンパク質の表面がマイナスに荷電しており、その表面はヒドロキシアパタイト結晶格子中のカルシウムイオンと相補的な空間配置にある5つのカルシウムイオンを結合することが明らかになった。この発見に基づいて、我々はオステオカルシンのヒドロキシアパタイトへの結合のモデルを提唱し、結晶格子と結合する他のタンパク質との共通点を明らかにする。 Full Text PDF 目次へ戻る