Letter 進化:飛翔する爬虫類の神経解剖学と飛翔、姿勢、行動との関連性 2003年10月30日 Nature 425, 6961 doi: 10.1038/nature02048 鳥類と翼竜という2つの主竜類の飛翔型爬虫類を比較することで、空を飛ぶ生活様式への適応について知る糸口が得られる。飛行操縦術の神経学的な基盤は特に注目されており、これは飛翔では感覚の統合や平衡、筋肉の協調に対する要求が厳しいからである。我々は今回、2種類の翼竜の脳と前庭器官を、コンピューター断層撮影(CT)像とそこからデジタル処理で復元した頭蓋の内側の形状をもとに比較した。総体的な神経構造は鳥類に似通っているが、翼竜は鳥類に比べて脳の体重比が小さい。この違いはおそらく、飛翔能力よりも系統発生の違いによるものだろう。鳥類は、すでに大脳化の進んでいた非鳥類型獣脚類から進化した。頭骨の長軸に対する骨迷路の位置関係は調べた2種の翼竜で異なっており、これから考えて両者の頭部のつき方は大きく違っており、行動が異なっていたことがうかがえる。両者の大型化した半規管は平衡器官が高度に発達していたことを物語っており、このことは翼竜が空を飛びながら目で獲物を見つけて捕らえる捕食者だったことと符合する。これら2種の小脳片葉は巨大で、翼からの大量の感覚情報を神経で統合して、注視の安定化のための目や首を使った反射機構を補強していた可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る