Letter 医学:骨芽細胞が造血幹細胞のニッチを調節する 2003年10月23日 Nature 425, 6960 doi: 10.1038/nature02040 幹細胞の運命は特別な微小環境に影響されるが、哺乳類ではこの微小環境はほとんど明らかにされていない。我々は骨芽細胞に特異的な活性型PTH/PTHrP受容体(PPR)を産生する遺伝子改変マウスを用いて、造血幹細胞が骨から制御に必要な情報を得ており、そのために造血が骨髄内で行われるという可能性を検証した。本論文では、PPRの刺激を受けて数が増した骨芽細胞がノッチリガンドjagged1を高濃度に産生し、造血幹細胞の細胞数が増加することを示す。これはin vivoでノッチ1が活性化している事実によって裏付けられた。さらに、副甲状腺ホルモン(PTH)によるPPRのリガンド依存的な活性化は、培養間質細胞で骨芽細胞の数を増加させ、ex vivoでの原始造血細胞の増殖を増大させるが、これはγ-セクレターゼによるノッチの活性化阻害によって消滅した。PTHを投与された野生型マウスでは幹細胞数増加が観察され、骨髄移植後の生存率が著しく向上した。したがって、骨芽細胞はin vivoにおける造血幹細胞ニッチの調節成分であり、ノッチの活性化を介して幹細胞の機能に影響を及ぼしている。ニッチを構成する細胞あるいはシグナル伝達経路は、幹細胞を対象とした医療にとって治療的可能性をもつ薬理学的標的となる。 Full Text PDF 目次へ戻る