Letter 気候:限られた表層の流れによって作られた冷たいインドネシア通過流 2003年10月23日 Nature 425, 6960 doi: 10.1038/nature02038 毎秒およそ1000万立方メートルの海水が太平洋からインドネシア海を通ってインド洋に流れている。海流と海水温の測定結果に基づいて近年指摘されているように、その流れの主要な経路であるマカサール海峡内のインドネシア通過流の水温はこれまで見積もられていた値に比べてずっと低温である。我々は海流と成層データを人工衛星から測定された風のデータと合わせて解析した。その結果、北半球の冬のモンスーン期間中、モンスーンの風により、軽くて塩分の低いジャワ海の表面水がマカサール海峡の南側に追いやられ、海峡内の表面水に北向きの圧力勾配が生じることがわかった。この表層の淡水(塩分の低い海水)が栓の働きをして太平洋から暖かい海水がインド洋に向かって南向きに流れることを妨げ、インド洋の表面水温はより冷たくなり、その結果アジアモンスーンを弱める可能性がある。夏は、逆向きの風が吹き、塩分の高いバンダ海の表面水がマカサール海峡の南側に運ばれるため、障壁となる圧力勾配が生じない。提示されたメカニズムによる東南アジアへの淡水の供給とインド洋の表面水温とがあわさって、気候システム内の重要な負のフィードバックとなっているのだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る