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物性:高転移温度超伝導体におけるコヒーレントな3次元フェルミ面

Nature 425, 6960 doi: 10.1038/nature01981

通常の金属はどれも3次元のフェルミ面をもつことが知られている。フェルミ面とは、低温での金属の電子物性を支配する寿命の長い電子励起が起こる逆格子空間上の部位のことである。これらの励起に対しては、3つの次元のどの成分でも、運動量をきちんと定義できる。高転移温度(高Tc)銅酸化物超伝導体は、超伝導転移点より高温では強い2次元性を持った異常物性を示す。こういった事実と、3次元フェルミ面の確たる証拠がないこともあいまって、この系の基底状態については斬新で奇抜なモデルが数多く提案されている。今回我々は、過剰にドープされた超伝導体Tl2Ba2CuO6+δにおいて、局平面内で強磁場を回転させた時のc軸抵抗の振動の観測結果について報告する。この観測結果は、コヒーレントな3次元フェルミ面の存在を明確に示している。しかし、振動の様子の解析から、いくつかの対称的な点においては、フェルミ面は厳密に2次元的であることが明らかになった。このようなフェルミ面の驚くべき形態は、電子バンド構造計算によって以前から予測されていたもので、常伝導状態および超伝導状態の広範な異方的物性に対して自然な説明を与える。我々のデータから、ドーピングレベルの高い高Tc物質は、その極端な電気的異方性にもかかわらず、従来の金属物理学の枠組みの中で理解できることがわかった。

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