Letter 医学:消化器癌の成長にはヘッジホッグリガンド刺激が広範に必要とされる 2003年10月23日 Nature 425, 6960 doi: 10.1038/nature01972 散発性の突然変異によって、あるいはゴーリン症候群のような家族性の原因によってヘッジホッグ(Hh)シグナル伝達経路の活性化が起こると、皮膚や小脳、骨格筋の腫瘍形成に結びつく。本論文では、さまざまな消化器癌でHh経路の活性が上昇していること、この活性上昇はHh経路の拮抗薬であるシクロパミンで抑えられることを明らかにする。このような癌には、食道、胃、胆道、膵臓に発生した癌の大半が含まれるが、大腸癌ではこのHh経路の活性化は確認できなかった。またシクロパミンはin vitroで細胞の増殖を抑制し、in vivoでは異種移植腫瘍の長期にわたる退縮を引き起こす。ゴーリン症候群の腫瘍の場合とは違って、これらの消化器癌におけるHh経路活性と細胞増殖は、内因性Hhリガンドの発現によるものである。このことは、Sonic hedgehog、Indian hedgehog転写産物の存在、Hh中和抗体がもつ経路阻害活性と細胞増殖阻害活性、外因性Hhリガンドの添加による著しい細胞増殖促進作用から示唆される。今回の結果によって、腫瘍の増殖に重要なHh経路活性が変異ではなくリガンドの発現によって活性化されている、広く見られる致死的悪性腫瘍グループが明らかになった。 Full Text PDF 目次へ戻る