Letter 細胞:酵母におけるタンパク質発現の包括的解析 2003年10月16日 Nature 425, 6959 doi: 10.1038/nature02046 完全ゲノム配列が得られるようになり、メッセンジャーRNAの全発現プロフィールの包括的解析を可能にする技術が実現したことで、細胞内部の状態がこれまでよりもはるかに詳しく観察できるようになった。しかし生物系は、最終的にはタンパク質の活性、制御、修飾という観点から説明されなければならない。さらに、転写後制御があらゆる場面で起こっているため、mRNAだけではこのようなタンパク質の情報を知るには不完全である。タンパク質の包括的解析を容易にすべく、我々は酵母Saccharomyces cerevisiaeの融合ライブラリーを作成した。このライブラリーでは、各オープンリーディングフレームが高親和性エピトープで標識されており、しかも染色体上の本来の位置から発現されるようになっている。共通の標識を免疫的に検出することで、対数増殖期に発現されるタンパク質の数を調べ、またそれらの絶対量を測定した。通常の生育条件では、プロテオームの約80%が発現していることがわかり、さらに配列情報を加えることによって、これまで誤って注釈付けされていた遺伝子を体系的に同定した。タンパク質の量は、細胞あたり50分子未満から106分子以上までの幅があった。必須タンパク質や転写因子の大半を含むこれらのタンパク質の多くは、他のプロテオミクス手法では容易に検出されないほど、あるいはmRNA量やコドン使用頻度の偏り(コドンバイアス)からでは予想できないほどの量しか存在していなかった。 Full Text PDF 目次へ戻る