Letter 物理:いくつかの酸化還元状態をとる単一有機分子を介した単一電子輸送 2003年10月16日 Nature 425, 6959 doi: 10.1038/nature02010 外部電極とトンネリング障壁で連結したナノスケール系を通る単一電子輸送反応は、古典的なクーロン帯電現象、電子準位間隔、スピン、そして振動モードの組合せによって決まっている。半導体量子ドット、金属や半導体のナノ粒子、カーボンナノチューブ、そして単一分子では、クーロン帯電効果がこのような輸送を支配することが示されている。最近になって、スピンも近藤効果を介して振動微細構造と同様に、ナノチューブと単一分子における輸送現象に影響を与えることが示された。本論文では、単一π共役分子の異なる荷電状態に対応する電子準位によって輸送特性が制御されるような単一電子トランジスターについて報告する。単一電子トランジスターでの分子の電子準位は、溶液中の分子の電子準位と比べると大きな摂動を受けており、最高占有分子軌道と最低非占有分子軌道との間のギャップが著しく小さくなっている。この予想外の効果は、ソース電極とドレイン電極に鏡像電荷が発生し、その結果、分子上に電荷が強く局在して起こることを簡単なモデル計算によって示す。 Full Text PDF 目次へ戻る