Letter 医学:RNA分子の刺激によるプリオンタンパク質の変換 2003年10月16日 Nature 425, 6959 doi: 10.1038/nature01979 プリオン病の感染性因子は核酸を含まず、特殊な感染性タンパク質からなるという仮説は多くの証拠によって裏付けられている。このタンパク質PrPScは、正常な糖タンパク質PrPCが鋳型によって誘発される構造変化を受けることにより生成されると考えられている。多くの研究から、PrPCからPrPScへの変換がプリオン病の病原性獲得の主要事象であることが立証されているが、PrPC以外の細胞内因子が効率的なPrPSc生成の促進に必要かどうかについては解明されていない。本論文では、タンパク質の誤った折りたたみを繰り返し増幅する検出法(PMCA法)の変法を用い、プロテアーゼ抵抗性PrPSc様タンパク質(PrPres)の生化学的増幅を調べた。今回、in vitroでのPrPCからPrPresへの化学量論的な変換には、特定のRNA分子が必要であることを報告する。特に、哺乳類のRNA標品はin vitroでのPrPresの増幅を促進したが、無脊椎動物のRNA標品にはこの作用は認められなかったことは注目に値する。この結果は、宿主がコードする刺激性RNA分子がプリオン病の病原性に関与している可能性を示唆する。またこの結果はPrPres増幅に基づいた診断法の感度向上への実用的なアプローチを示すものである。 Full Text PDF 目次へ戻る