Letter 地球:エクロジャイトの部分溶融による初期大陸地殻の成長 2003年10月9日 Nature 425, 6958 doi: 10.1038/nature02031 最初の大陸地殻が形成された時の構造地質学的背景はどのようなものであったか、および現在のような収束的プレート境界の島弧火山活動がどの程度まで初期の地球で起きていたかは論争の対象になっている。地球化学的研究によれば、始生代に極度に変成を受けた灰色片麻岩のテレーン、およびあまり変成を受けていない花崗岩と緑色岩のテレーンから得られた長石は、共にナトリウムに富んだ花崗岩質の石である、トーナル岩質・トロニエム岩質花崗岩類(TTG)を主として出来ていることが分かっている。本論文では、主成分および微量元素組成からみた始生代TTGに相当するマグマが水和した玄武岩のエクロジャイト相における部分溶融で生成することを示す実験結果を提示する。さらに、低いNb/Ta比及び高いZr/Sm比を持つ「平均的な」始生代TTGマグマが、コンドライトより低いNb/Ta比を持つ供給源から生成することを示す。現在の環境では、低いNb/Ta比を持つ玄武岩は沈み込みによる変化を被った枯渇したマントルの部分溶融により、前弧の海洋内島弧環境、および背弧領域において顕著に生じる。これらの観測はTTG火成活動が始生代の海洋内島弧に沿って発達した花崗岩緑色岩複合体の下で、鱗状に重なった逆断層と沈み込みに関係した多様なテレーンの構造地質学的な収束により起きていた可能性があることを示唆している。このような、厚くなった「島弧的」な地殻の底にある一般的には玄武岩質の供給源の脱水化に伴う溶融によって、地球化学的に適切なTTGマグマがエクロジャイト残滓と平衡な状態で生成したのであろう。 Full Text PDF 目次へ戻る