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化学:サマリウム・フラーライドにおける温度誘起原子価転移とそれに伴う格子収縮

Nature 425, 6958 doi: 10.1038/nature01994

ある系の複数の異なる自由度は通常互いに無関係であるが、自由度が強く結合し、外部摂動に敏感な相平衡を生じさせる材料もある。そのような系は、理論的取扱いが困難な異常な物理的特性を示すことが多い。代表的な例は、中間原子価希土類重フェルミオンや近藤絶縁体などの強相関電子系や巨大磁気抵抗亜マンガン酸塩及び高転移温度(高Tc)銅酸化物超伝導体である。さらにC60の金属インターカレーション化合物である金属フラーライド塩、および希土類系材料も、ともに強い電子相関を示す。希土類フラーライドは特に興味深い系であり、強く相関するカチオン(希土類)副格子とアニオン(C60)副格子を有している。今回我々は、希土類フラーライドSm2.75C60を冷却すると32K付近でアイソシンメトリックな相転移が誘発され、劇的な等方性体積増加および(2+ε)+から約2+へのサマリウム原子価転移を伴うことを、高分解能シンクロトロンX線回折および磁化率測定によって示す。4.2Kから32Kへ加熱すると膨張ではなく収縮が生じるが、この負の熱膨張は、そのような挙動を一般的に示す三元系金属酸化物の約40倍の収縮率で起こる。フラーレンなどの分子システムでは前例のないこの大規模な負の熱膨張の原因は、SmSのような中間原子価近藤絶縁体で見られる原子価転移または構造転移に類似した、Sm2+からより小さいSm(2+ε)+に向かう準連続原子価転移によるものと考えられる。

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