Letter 物理:純粋金属の常磁性相におけるフェルミ液体の破綻 2003年10月9日 Nature 425, 6958 doi: 10.1038/nature01968 金属の標準模型であるフェルミ液体論は、次第に多くの金属で異常な性質が発見されてきたため、どこまで成立するか議論の的になっている。これらの異常は量子臨界点(絶対零度極限における連続相転移点)付近で、典型的には磁気秩序相と常磁性相の間でよく起こる。当時は詳細に解明されなかったが、このような量子臨界点近傍の異常な挙動は、ほぼ30年前に標準模型を越えたいくつかの理論によって予想されていたものである。本論文では、3d金属MnSiの電気抵抗率の測定について報告する。我々の結果は、通常、フェルミ液体模型が破綻すると考えられる量子臨界点近くの狭いクロスオーバー領域ではなく、予想に反して1次磁気転移点付近の相図の広い領域にわたって、フェルミ液体模型が破綻していることを示唆する。この広い領域では、フェルミ液体模型に対する補正は小さいと予測される。MnSiの電気抵抗率が異常な温度依存性を示す圧力、温度、そして磁場の範囲は、量子臨界系で広く観測されているクロスオーバーの挙動とはつじつまが合わない。これは、まだ謎に満ちた物質の量子相が明確に存在する事を示している。 Full Text PDF 目次へ戻る