Article 進化:寄生蠕虫類の複雑な生活環の進化 2003年10月2日 Nature 425, 6957 doi: 10.1038/nature02012 通常複数種の宿主を経る複雑な生活環が、宿主‐寄生体の世界でどのように進化してきたのかという基本的な疑問は解明がほとんど進んでいない。我々は今回、侵入型の感染段階のない蠕虫類に見られる複雑な生活環は、本質的に異なる2つの過程によって進化したものであり、どちらの過程になるかは生活環のどこに新たな宿主が組み込まれるかによって決まることを示す。「上位へ向かう組み込み」(upward incorporation)では、新しい固有宿主は、通常は食物網の上位の生物であり、元の固有宿主を捕食することによって生活環に加わる。この場合、寄生虫にとって有利な点は、捕食者による死を回避できること、成熟時の体のサイズをより大きくできること、および繁殖能力が高まることだ。元の宿主は通例として中間宿主となり、そこでは繁殖が抑制される。「下位に向かう組み込み」(downward incorporation)では、下位の栄養段階で新たな中間宿主が加わる。これによって死亡率は低下し、元の固有宿主への伝播が容易になる。これら2つの過程は侵入型の感染段階のある寄生蠕虫類にも当てはまるはずだが、数理的条件は異なる。 Full Text PDF 目次へ戻る