Letter

化学:キラル触媒のエナンチオ特異的電析

Nature 425, 6957 doi: 10.1038/nature01990

多くの生体分子はキラルである。すなわち、構造が互いに鏡像の関係となっている点だけが異なる2つの鏡像異性体のうち、片方の状態で存在する。一方の鏡像異性体のみが生理的に活性な傾向にあり、他方は不活性であるか、あるいは毒性を有することすらあるため、薬物化合物は次第に溶液相均一触媒や酵素を用いて光学純度の高い状態で生産されるようになっている。キラル表面を利用すると、均一触媒よりも容易に生成物から分離でき、再利用可能なエナンチオ選択的不均一触媒が作製できる可能性がある。さらに、そのような表面は、キラル分子の電気化学センサとしての機能を果たすかもしれない。今まで、キラル表面はキラル分子を吸着することによって、あるいは高指数面が現れるように単結晶をスライスすることによって得られており、これらのキラル表面の一部はエナンチオ選択的不均一触媒として機能する。今回我々は、比較的単純な溶液系プロセスである電析を利用した場合も、キラル表面が同様に形成可能であることを示す。このプロセスは、表面に吸着した有機分子が無機析出物の形態に大きな影響を及ぼすという点でバイオミネラリゼーションに類似している。酒石酸イオンを含有する電析溶液中でアキラルな金表面に酸化銅(II)膜を電析させたところ、イオンのキラリティーが析出膜のキラリティーを決定し、次に、それに続く電気化学的酸化反応中の析出膜のエナンチオ特異性を決定した。

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