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構造生物学:スタフィロコアグラーゼは補助因子によるチモーゲン活性化機構の基本形である

Nature 425, 6957 doi: 10.1038/nature01962

多くの細菌病原体は、宿主のトリプシノーゲン様の酵素前駆体、最もよく知られているところでは血液凝固や線溶解系の酵素前駆体を活性化するタンパク質を分泌する。黄色ブドウ球菌Staphylococcus aureusはヒトの敗血症や心内膜炎に関係のある重要な病原体であるが、この菌は補助因子スタフィロコアグラーゼを分泌する。この補助因子は通常のタンパク質分解によらずプロトロンビンを活性化し、ただちに血液凝固を始める。本研究で我々は、完全な活性を有するスタフィロコアグラーゼ変異体に結合したヒトα-トロンビンおよびプレトロンビン-2の2.2Å分解能の結晶構造を示す。スタフィロコアグラーゼは2つのドメインから構成されており、それぞれが3本へリックス束構造を持つ。この構造は新規のおりたたみ構造で、既知のセリン・プロテイナーゼ前駆体を活性化する補助因子、特に連鎖球菌のプラスミノーゲン活性化因子であるストレプトキナーゼとは異なっている。スタフィロコアグラーゼのおりたたみ様式は、他の細菌由来の血漿タンパク質結合因子や細胞外マトリックス結合因子の立体構造にも保存されている。速度論的解析により、スタフィロコアグラーゼのアミノ末端にあるイソロイシン1とバリン2がチモーゲン活性化に重要であることが確認された。スタフィロコアグラーゼは、プレトロンビン2の148ループおよび(プロ)エキソサイトIに結合するとともに、そのN末端ペプチドをプレトロンビン2の活性化ポケットの中に挿入することで、機能的に完全な触媒装置をアロステリックに誘導する。これらの研究結果から、「分子の雌雄性」として知られるチモーゲン活性化機構の妥当性が明確に示される。

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