Letter 生化学:極低温電子顕微鏡で明らかにされたミオシンのアクチンとの強い結合によるヌクレオチド解離の仕組み 2003年9月25日 Nature 425, 6956 doi: 10.1038/nature02005 筋収縮には、ATP加水分解の各段階と対になっているミオシン架橋とアクチン繊維との周期的相互作用が関与している。アクチンに結合している間に、それぞれの架橋は構造変化を受ける。しばしば「パワーストローク」と呼ばれることもあるこの構造変化によってアクチン繊維はミオシン繊維と前後にすれ違うように動かされる。これはATP加水分解生成物が解離し、ミオシンとアクチンの結合がより強くなるために起こる。新しいATP分子が結合することで再びその結合は弱くなり、結合していた架橋はすみやかにアクチンから解離する。そのヌクレオチドはその後加水分解され、構造変化は逆に進み、ミオシン架橋はアクチンに再結合する。X線結晶学によってパワーストロークの構造基盤が決定されたが、なぜアクチンの結合によりヌクレオチドの結合が弱まるのか、そしてその逆がなぜ起こるのかは、まだ明らかではない。本研究で我々は、アクチンとミオシンの架橋の原子モデルを高分解能の極低温電子顕微鏡の三次元再構成像にフィッティングすることにより、この結合の分子基盤を説明する。アクチンが結合するとアクチン結合クレフトが閉じるが、これはヌクレオチド結合ポケットが開くのと構造的に連動している。 Full Text PDF 目次へ戻る