Letter 心理:自由参加制の公共財ゲームではジャンケン型の動態が生じる 2003年9月25日 Nature 425, 6956 doi: 10.1038/nature01986 集団的努力は昆虫社会とヒト社会双方を象徴する特徴の1つである。昆虫社会では血縁関係によって集団的努力が成されるが、ヒト社会で集団的努力が成される仕組みはよくわかっていない。非血縁個体間の協力にまつわる問題は「共有地の悲劇」として説明されており、それによればヒトが共有のものを使って多数の事業に着手すれば破綻は避けられない。公共財に関する実験では、初期には協力が見られても、通常急速に協力はほとんど見られなくなる。協力が維持されるのは、裏切り者を罰する機会が与えられるか、よい評判を維持する必要がある場合である。どちらの場合も裏切り者が特定される必要がある。理論研究によれば、完全な匿名性の下では単純だが効果的な仕組みが働くという。つまり、公共財ゲームへの参加を選択できる場合、集団に属さないで「単独行動するプレーヤー」と裏切りをするプレーヤーと協力するプレーヤーがジャンケン型の動態をとって共存する。我々は今回、公共財ゲームでは自由参加制によりジャンケン型の動態が生まれ、初期条件を操作することでそれぞれ予想通りの方向に導けることを実験的に示す。選択肢の決定状況を参加者に知らせる表示を操作して、裏切るプレーヤーの数が最も多いと参加者に思い込ませると、すぐに単独行動するプレーヤーの数が最も多くなり、同じように単独行動するプレーヤーが多いと思い込ませると協力しあうプレーヤーが増え、協力しあうプレーヤーが多いと思わせると裏切るプレーヤーが多くなる。平均すると、協力関係はかなりのレベルで存続する。 Full Text PDF 目次へ戻る