Letter 古生態:北米の鮮新世前期の北極圏哺乳動物相 2003年9月25日 Nature 425, 6956 doi: 10.1038/nature01892 カナダのヌナブット準州にあるエルズミア島の泥炭堆積物は、鮮新世前期に現在の北極圏より北にあった陸上生物相を知るうえで貴重な情報源となる。この泥炭はビーバーがつくった池に堆積したもので、池は北極海に近接した海岸丘陵地帯にあって、地域の高木限界に近い北方カラマツ林に囲まれていた。泥炭から死骸の見つかった植物や甲虫の生態的類似から、エルズミア島の冬季の気温は現在に比べて15℃ほど高く、夏季の気温も10℃高かったことがわかる。本論文では、この泥炭に死骸の埋もれていた哺乳類が主に、動物地理学的にも系統発生的にもユーラシアの分類群に近いものであり、その中には北米で初めて見つかったアナグマの仲間(Arctomeles)も含まれることを報告する。この泥炭には、アジアと北米の間で生物の往来が活発だった鮮新世前期(400万〜500万年前)の北極圏哺乳動物相の構成を直接示す証拠が含まれている。 Full Text PDF 目次へ戻る