Letter

物理:強結合領域における1原子レーザーの実証実験

Nature 425, 6955 doi: 10.1038/nature01974

従来型のレーザー(テーブルトップシステムからマイクロデバイスまで)は、通常、多数の電子と光子が関与するいわゆる弱結合領域で作動する。系の動力学に対する個々の量子からの影響はほとんど無視してよい。しかし、この状況は原子と光子が極めて少数となる強結合領域に系が近づくともはや成立しない。実際、共振器中の単一原子のレーザー発振特性に関する理論研究が盛んに行われてきた。ここでは、強結合領域で作動する1原子レーザーを実験で実現した結果を報告する。我々は最新の共振器量子電気力学の研究成果を利用している。すなわち、光共振器中に1個の原子を孤立させ、1個の光子でも原子遷移を十分飽和できる技術を利用した。観測した原子--共振器系の特性は、よく知られた多数の原子が存在する場合の特性とは定性的に異なっている。特に、ポンプ強度に対する共振器内部の光子数の測定結果は、レーザー発振にしきい値が存在しないことを明瞭に示しており、さらに共振器モードからの出力強度は、原子蛍光強度の10倍以上であることも示唆する。2次強度相関関数の測定結果から、この1原子レーザーが、光子アンチバンチングとサブポアッソン光子統計を示す量子(非古典)光を確実に生成することが実証された。

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