Letter

発生:cdx4変異体は血液前駆細胞の指定ができないが複数のhox遺伝子によって救済される

Nature 425, 6955 doi: 10.1038/nature01973

器官形成には、胚の段階で異なった型の細胞が形成されることが不可欠である。この過程で重要なのがhox遺伝子で、体の前後軸に沿った細胞の位置を指定する働きをしているものと考えられている。本論文では、ゼブラフィッシュの変異体kugeligkgg)の変異遺伝子座として、caudalの関連遺伝子cdx4を同定した。kgg変異体は、造血の初期に異常が見られ、前後軸方向のパターン形成異常とhox遺伝子の発現異常をともなう。このkgg胚における血液形成の異常は、hoxb7aあるいはhoxa9aの過剰発現によって救済されるがhoxb8aではされないため、この造血異常は特定のhox遺伝子の異常が原因で起きることがわかる。またこのkgg変異体における造血異常はscl遺伝子を過剰発現させても救済されないことから、cdx4遺伝子とhox遺伝子は、後部中胚葉に働きかけて血液細胞に発生する能力をもたせるものと考えられる。発生中のゼブラフィッシュやマウス胚性幹細胞でcdx4を過剰に発現させると血液形成が起こり、またhox遺伝子の発現が変化する。これらの知見を総合すると、cdx4hox遺伝子を制御し、脊椎動物の胚発生における造血系細胞の運命の指定に不可欠であることが明らかになる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度