Letter 心理:サルは不公平な報酬を拒む 2003年9月18日 Nature 425, 6955 doi: 10.1038/nature01963 協調性の進化では、自分の努力とそれに対する報酬を他人のものと比べることがきわめて重要であった可能性がある。期待が裏切られると否定的な反応が起こることがある。ある仮説では、不公平に対する反感が、合理的選択モデルの範囲内でのヒトの協調の説明になるとしているが、この仮説は実際、従来の説明よりも包括的であるかもしれない。細かい点については文化によってかなりのばらつきがあるが、「公正感」はおそらくヒトにとって普遍的なものであり、多種多様な環境でこれが根強く見られることが示されている。しかし、ヒトだけが協調的な動物というわけではないため、不公平に対する嫌悪はヒト以外の動物でも見られるかもしれない。ヒト以外の非常に協調的な多くの種では、協調による結果と資源の分配に関する期待によって行動が導かれているようである。本研究では、ヒトではない霊長類、フサオマキザル(Cebus paella)が、実験者が報酬を不公平に分け与えたことに対して反抗的な態度を示すことを明らかにする。サルたちは、仲間のサルが同じ努力をしてもっと魅力的な報酬を得るのを目撃すると、実験への参加を拒否した。そのサルが全く努力せずに良い報酬を得た場合には、その影響はさらに大きくなった。こうした反応は、不公平に対する嫌悪感が進化の初期段階で生まれたことを裏付けるものである。 Full Text PDF 目次へ戻る