Letter 地球:地質学的時間スケールにおける帯水層の効率的な分離に関する地球化学的証拠 2003年9月4日 Nature 425, 6953 doi: 10.1038/nature01966 半透水層(透水性の低い岩石からなる層)は、核廃棄物や化学廃棄物などの毒性物質の長期にわたる貯蔵庫として用いることができると提案されてきた。しかし、半透水層の隔離的性質について解明しない限り、実際に貯蔵庫として安全に利用できるかどうかは評価できない。本論文では、ヘリウム同位体を地球化学的トレーサーとして用いて、フランスのパリ盆地の東部涵養域において、半透水層を取り囲む二つの帯水層の間で地下水の長期にわたる移動度を調査した。より深部で結晶体から成る基盤の上にある三畳紀の砂岩の帯水層には、地殻とマントルの広い領域から放射性4Heと始源的3Heが地殻全体及び大洋中央海嶺における脱ガスに匹敵する速度で蓄積している。その上にある炭酸塩のドッガー帯水層と、三畳紀の帯水層との間には約600 mにわたり連続した頁岩と粘土から成る半透水層がはさまれている。ドッガー帯水層は流れがなく過去数百万年の間にわたり三畳紀の層からの分離は極めてよかったことが示される。この発見は、パリ盆地中心部におけるこれまでの研究と共に、半透水層を横切る拡散的な物質の移動は無視できる程度であり、盆地内における層群を横切る流れは主に断層地帯で起きていることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る