Letter 進化:細菌Myxococcus xanthusにみられる新しい協同的遊走の進化 2003年9月4日 Nature 425, 6953 doi: 10.1038/nature01908 個体間の協力は、さらに高次の生物学的体制への進化的移行に必要である。このような移行では、ある階層(単細胞など)の個体群が協力することで高次の選択単位(多細胞生物など)が形成される。協力の進化を直接検討することは高等真核生物では難しいが、微生物ではそのような機会が得られる。本論文では、粘液細菌Myxococcus xanthusの実験系統にみられる新しい協同的行動の進化について報告する。M. xanthusの野生株は、細胞外にあるIV型線毛を必要とする「S運動性」として知られる機構によって、軟表面上で社会性に依存した遊走(swarming)を見せる。線毛を作れないM. xanthus系統では、協同的遊走の新たな機構基盤が進化した。この進化した遊走では、少なくとも部分的には、細胞を相互に結びつけ、ひいては進化における利害関係をもひとまとめにする、細胞外原繊維マトリックスの産生増大が関与している。原繊維の産生は個体には「支出」となるが、相互に結合した状態の細胞の作る集団内での個体群の増殖を大きく高める。これらの結果は、原始的な協力関係に至る基礎的な移行が細菌で容易に生じることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る