Letter 物理:磁気双極子の絡み合った量子状態 2003年9月4日 Nature 425, 6953 doi: 10.1038/nature01888 自由磁気モーメントは通常キュリー則を示し、弱い外部磁場をかけると温度の逆数(1/T)で変化する磁化が発生する。ドープした半導体やある種の希土類金属間化合物など静的磁化を見せない様々な物質では、この1/T法則がべき乗則T-α、α<1に替わる。ここでは、もっと単純な物質系、すなわち、絶縁性磁性塩LiHoxY1-xF4もこのようなべき乗則を見せることを示す。さらに、この系の数値シミュレーション結果を磁化率や比熱のデータと比較して、エネルギー準位分裂と量子絡み合いの両方がこの系の挙動を記述する上で重要になることを示す。この2番目の量子力学効果、絡み合いとは、いくつか自由度を持った系の波動関数が各自由度に対する波動関数の積の形に書けない状態である。からみ合いは、極めて小さいトンネリング項に現れ、そして、トンネリングの効果がスペクトルに現れるようになる十分前に活性化される。この結果の重要性は、エネルギー準位の再分布ではなく、絡み合いが単純な絶縁性量子スピン系の磁気挙動の原因になっているということである。 Full Text PDF 目次へ戻る