Letter 遺伝:マウスの第11染色体の機能的遺伝分析 2003年9月4日 Nature 425, 6953 doi: 10.1038/nature01865 マウスとヒトのゲノム配列が完全に解読された現在では、各遺伝子の機能を決定するための体系立った方法論が求められている。遺伝子の機能を明らかにする有効な方法の1つは、変異がどのような結果をもたらすかを、生きた生物で解明することである。点突然変異誘発剤N-エチル-N-ニトロソ尿素(ENU)を使ったマウス変異の大量誘発は、マウス変異体が哺乳類特有の機能を明らかにし、また変異体の多くはヒトの病気のモデルになる可能性があるため、ヒトゲノム分析のための重要な方法となる。今回、ヒトとマウスの間で保存されている遺伝子を調べるために、逆位第11染色体をバランサー染色体として用いて、ENUによる劣性突然変異の誘発を行った。バランサー染色体はもともとショウジョウバエで見つかった遺伝学の重要な手法であり、これを使うと、ある選ばれた染色体上の変異を容易に単離できる。本論文では、マウスの新しい劣性変異230個を単離したことを報告する。そのうち88個は第11染色体上にある。この遺伝学的手法で、1本の染色体上に効率よく変異を発生させ、位置を特定できると同時に、ゲノム全体にわたって変異を発見できる。これらの変異から、造血、頭蓋顔面および心臓血管の発生、生殖能力において新たな異常が見つかった。 Full Text PDF 目次へ戻る