Letter

物理:電子スピンドメインによる超伝導の磁気的強化

Nature 425, 6953 doi: 10.1038/nature01842

超伝導の発見以来、その機構の起源を理解するための努力が続けられてきた。BCS(バーディーン-クーパー-シュリーファー) モデルでは、通常の超伝導体中の電子を、フォノン(格子振動の振動モード)を媒介に結合した動く対としてとらえることでうまく説明しているが、高転移温度、有機あるいは「重いフェルミオン」超伝導に一般に受け入れられているモデルはまだない。それゆえに、このような超伝導体の異常な特性を実験的に明らかにすることは、基本的な物理をより深く理解することにつながる。特に、磁場は超伝導を弱めたり消滅させるため、磁場に対する物質の応答を調べることは有用であろう。今回我々は、熱容量と磁化の計測結果を報告する。それは、外部磁場の特定の方向に対して、重いフェルミオン物質CeCoIn5の超伝導が、個々の電子の磁気モーメント(スピン)によって増強されることを示している。この増強は、超伝導状態の形成の様を基本的に変えることで生ずる。つまり、超伝導領域がスピン偏極した対形成されていない電子の壁と交互に繰り返す状態を形成することで生ずる。この配置は自由エネルギーを低下させ、超伝導を安定化させる。この物質の大きな磁気感受率は磁場と電子スピンの異常に強い結合を導き、電子軌道との結合を凌駕するようになる。

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