Letter

考古:バハカリフォルニアに古アメリカ人が生き残っていたことを示す頭骨計測上の証拠

Nature 425, 6953 doi: 10.1038/nature01816

アメリカ大陸の人類定住に関する現在の問題は、完新世前期の人類遺体(古アメリカ人、Palaeoamericans)と現代のアメリカインディアン集団の間に形態上の類似性が乏しいことと、古アメリカ人が現代アメリカインディアンの遺伝子プールにどのぐらい関与したのかという点に注目がおかれている。こうした現象を説明するのにもち出されるのが、古アメリカ人とアメリカインディアンの起源が違うとする説である。この説に従えば、古アメリカ人の起源をたどると古アメリカ人とオーストラリア先住民との共通祖先に行き着かねばならない。この共通祖先は、南方アジアのどちらからか旅立ち、今から約4万年前にオーストラリア大陸に、また約1万2000年前にアメリカ大陸に到着したとする。現代アメリカインディアンの大部分は、形態的に分化した第二次移住集団であると考えられる。本論文では、メキシコのバハカリフォルニア半島に居住していた現代アメリカインディアンの一集団に、現代アメリカインディアンよりも古アメリカ人の遺体のほうに明快な類似性が見られることを示す証拠を提出する。おそらく完新世中期の気候変動によって半島を北米大陸から隔離する諸条件が生じ、当初移住した集団と北方集団との遺伝子流動が制限されて、古アメリカ人の形態パターンが現代まで時間を経て継続されるに至ったのだろう。

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