Letter 物理:地球内核における鉄の体心立方構造相の安定性 2003年8月28日 Nature 424, 6952 doi: 10.1038/nature01954 鉄は地球内核の主な構成要素と考えられ、高温・高圧下の鉄の性質を理解しようとして少なからぬ努力が払われてきた。これらの研究は鉄の相図の知識を拡大してきたが、重大な矛盾もまだ残っている。その中で最も有名なものは、「低い」融解曲線と「高い」融解曲線の間の違いである。今回我々が報告するのは、密度汎関数理論の2適用例の諸結果に合わせた埋め込み原子モデルに基づく、鉄の分子動力学的シミュレーションの結果である。2つの近似モデルを検討したところ、そのどちらも高温・高圧下で鉄の体心立方構造( b.c.c. )相の安定性を示すことを見出した。我々の計算した融解曲線は「高い」融解曲線と一致する。一方、六方最密構造( h.c.p. )相とb.c.c. 相との境界を計算すると、これは「低い」融解曲線とよく一致する。このことから、キセノンの場合と同様、 h.c.p. 相と b.c.c. 相の間の遷移が以前は融解と誤って解釈されており、また鉄のb.c.c. 相は地球の内核で安定な相であると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る