Letter

進化:頭足類Hox遺伝子と新しい形態の発生

Nature 424, 6952 doi: 10.1038/nature01872

足類は、高度に発達した多様な軟体動物の一群で、オウムガイ、イカ、タコ、コウイカなどがこれに含まれる。頭足類の体制が単殻類に似た祖先から進化するのに伴い、いくつか重要な形態変化のもとになる変化が起こり、頭足類の目覚しい進化的成功に寄与してきた。調節遺伝子や既存の調節ネットワークの動員が、新たな構造を作り出す一般的な遺伝的機構となっている可能性がある。Hox遺伝子は、左右相称動物の体軸のパターン形成にかかわる転写調節タンパク質ファミリーをコードする遺伝子群で、その役割は非常によく保存されているが、発生過程で新機能が生じるのにHox遺伝子の動員が重要であることを顕著に示す例がいくつか知られている。今回我々は、ハワイ産のダンゴイカの一種Euprymna scolopesがもつ9種類のHox遺伝子のうち8種について、WISH法によって発生過程での発現パターンを調べた。その結果、頭足類の新たな構造が生じる際には、Hoxのオーソロガス遺伝子が何回も、いろいろな様式で動員されたことが明らかになった。これらの遺伝子が頭足類の進化の過程で使われてきたようすを見ると、後生動物の中で体制の多様性が最も高い冠輪動物(ロフォトロコゾア)において、どのような分子機構が形態変化の原動力となってきたかを伺い知ることができる。

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