Letter 化学:トポロジカルに結合した触媒によるポリブタジエンのエポキシ化 2003年8月21日 Nature 424, 6951 doi: 10.1038/nature01925 自然界では、生体高分子であるDNAおよびRNAの合成・操作を促進する複雑な酵素構造が進化してきた。これには、生体高分子基質に結合して解離するまでに何回か繰り返して触媒反応を起こす酵素が含まれる。これらの「連続移動性(プロセッシブ)」酵素の多くは、例えばDNA酵素であるT4 DNAポリメラーゼ・ホロ酵素およびλ-エキソヌクレアーゼのように環状形であり、生体高分子を完全に取り囲んでその生体高分子鎖に沿って移動する。これらの系の全体構造は、長い分子またはポリマーが巨大環を通り抜けるロタキサンの構造と類似している。今回我々は、ポリマー基質に結合したまま何回も反応に触媒作用を及ぼすというプロセッシブ酵素の能力を模倣したロタキサンについて報告する。この触媒は基質に結合する空孔部を有しており、マンガン(!)。)ポルフィリン錯体がその空孔部に組み込まれている。環状体の外側に配位子が結合していて、ポルフィリン錯体を活性化し、しかも空孔部外でのアルケンの酸化が起こらないよう遮蔽していれば、環状体空孔内のアルケンがポルフィリン錯体により酸化される。我々は、ポリブタジエン・ポリマー鎖がこの触媒の環内を通ると、触媒がポリマーの二重結合をエポキシ化し、結果として上記天然酵素系の単純類縁体として働くことを見出した。 Full Text PDF 目次へ戻る