Letter 生化学:転写因子IIBは転写調節のために自己アセチル化を行う 2003年8月21日 Nature 424, 6951 doi: 10.1038/nature01899 アセチル化は調節的な翻訳後修飾の一つとしてよく知られているが、基本転写因子の調節におけるアセチル化の生物学的機能はこれまで報告されていない。本論文では、真核生物のポリメラーゼIIによる転写の開始に必要な基本転写因子TFIIBがアセチル化されることを示す。TFIIBは自己アセチルトランスフェラーゼでもあるが、これまでに知られているどのアセチルトランスフェラーゼとも配列相同性はない。TFIIBは他の酵素の存在なしに、アセチル補酵素A(アセチル-CoA)と結合し、アセチル基の自身のリジン残基(K238)への特異的転移を触媒する。組換えTFIIBも、細胞中に存在するTFIIBも共に、自己アセチル化を行うことができ、その結果TFIIBと転写因子TFIIFの相互作用は著しく安定化され、in vitroでも細胞中でも転写が活性化される。K238A変異体の1つで自己アセチル化ができないものでは、このような転写の活性化は見られない。今回の結果は、TFIIBのアセチル化を調節する経路の存在を示唆し、アセチルCoAと基本的な遺伝子転写を結びつけるものである。 Full Text PDF 目次へ戻る