Letter 細胞:キス・アンド・ランと完全融合の選択を異なるドメインで制御するシナプトタグミン 2003年8月21日 Nature 424, 6951 doi: 10.1038/nature01857 開口放出(小胞内容物の細胞外放出)は、2種類の機構で進行する。小胞と細胞膜が一体化するのが完全融合だが、キス・アンド・ランとよばれる機構では、小胞は細胞膜と一過性に接している間に伝達物質を放出することもできる。しかし、この2つの経路の選択がどのように調節されているのか、その分子レベルの機構はほとんどわかっていない。今回我々は、個別の融合小孔を介するカテコールアミンの流出をアンペロメトリーで記録した結果を報告する。シナプトタグミン(Syt)IVを導入すると、キス・アンド・ラン現象の頻度と持続時間が増加したが、その放出量は変わらなかった。フォルスコリン処理によって内在性SytIVを発現させても、同様の結果になった。SytIのC2AドメインのCa2+リガンド変異によって完全融合が抑制されたが、これと相同なSytIVのC2Bドメイン中のCa2+リガンドの変異でキス・アンド・ランが抑制された。完全融合を起こすためのCa2+感受性は、SytIでSytIVの5倍も大きかったが、キス・アンド・ランのCa2+感受性は2倍しか違わなかった。したがって、完全融合かキス・アンド・ランかの選択を調節しているのはSytであり、この選択にはCa2+がC2Aドメインに結合するかC2Bドメインに結合するかが重要な役割を果たしている。 Full Text PDF 目次へ戻る