Article 免疫:MyD88非依存性TIRシグナル伝達における重要な伝達物質としてのLps2の同定 2003年8月14日 Nature 424, 6950 doi: 10.1038/nature01889 ヒトでは、10種類あるToll様受容体(TLR)パラログが微生物構成物質を感知して、炎症反応を引き起こす伝達物質サイトカインの産生を開始させる。我々はN-エチル-N-ニトロソ尿素を用いて、Lps2と呼ばれる生殖系列変異を誘発した。この変異では、二本鎖RNAに対するサイトカイン応答が起こらず、また内毒素リポ多糖(LPS)に対する応答も大きく低下することから、TLR3とTLR4が、1個の特異的上流伝達物質を共有することが示唆される。今回我々は、Lps2変異が、TrifまたはTicam-1とよばれるToll/インターロイキン-1受容体/抵抗性(TIR)アダプタータンパク質遠位末端のフレームシフト変異であることを明らかにする。TrifLps2ホモ接合体はLPSの毒性作用に対し強い抵抗性を示し、またマウスサイトメガロウイルスに対する感受性がきわめて高く、感染してもI型インターフェロンを産生することができない。TrifとMyD88(細胞質内のTIRドメインを有するアダプタータンパク質)両遺伝子座における変異をホモ接合で合わせ持つと、LPSに対する応答がすべて失われることから、LPS受容体から発するシグナル伝達経路は2つしかないことがわかる。しかし、TrifLps2変異マクロファージをLPSで刺激すると、Trif非依存性細胞集団が検出される。このことから、すべてのマクロファージではないが、一部のマクロファージにおいてはMyD88依存性の「アダプターX」代替経路が存在することが明らかであり、また特殊化した求心性の免疫機能の存在することが示唆される。 Full Text PDF 目次へ戻る