Letter

医学:ラクダ科動物抗体フラグメントはヒト・リゾチームによるアミロイド繊維形成を阻害する

Nature 424, 6950 doi: 10.1038/nature01870

アミロイド病は、特定のタンパク質あるいはタンパク質断片が異常な構造を取って繊維や斑を形成し、各種臓器や組織に沈着する特徴を持つ疾患で、重大な帰結を招くことが多い。非神経障害性の全身性アミロイドーシスは、ヒトのリゾチームをコードする遺伝子に生じた1ヶ所の点変異と関連づけられている。本論文では、野性型ヒト・リゾチームに対するラクダ科動物抗体の単一ドメインフラグメントが、in vitroでアミロイド形成性の変異型であるD67Hの凝集を阻害することを報告する。構造に関する研究から、抗原決定基には変異部位も、また変異により不安定化されたタンパク質構造中の残基の大部分も含まれていないことがわかった。抗体フラグメントの結合は、野性型タンパク質に特徴的な構造的協同性を復活することで、凝集を阻害する効果を及ぼしている。こういう効果は、少なくとも部分的には、コンホメーションから生じる遠達的な影響を、このタンパク質の2つの構造ドメイン間の接触面に伝達することで起こっているように見える。従って、アミロイド形成性タンパク質に、部分的に構造がほどけた分子種を形成させないようにすることは、そういう異常な分子の凝集を妨げる有効な方法となる可能性があり、タンパク質沈着性疾患に対する治療薬の合理的なデザイン法を示唆するものといえる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度