Letter

認知:行動を観察する際にも用いられる行動計画

Nature 424, 6950 doi: 10.1038/nature01861

我々は他者の行動をどのようにして理解しているのだろうか。直接見本合わせ仮説(direct matching hypothesis)では、行動の理解は、観察した行動をその行動の運動表現に対応付ける機構から生じるとされる。神経生理学および脳イメージングの研究によって支持されてはいるものの、この仮説の直接的証拠は乏しい。視覚行動においては、課題特異的な先行的眼球運動が行動の計画と制御に極めて重要である。このような行動を観察しているとき、眼球は自由に動くことができるので、直接見本合わせ仮説に従えば、被験者は自分自身がその課題を遂行するときと似た眼球運動を行うと予測される。しかし、もし観察者が純粋に視覚的な手段によってのみ行動を解析するのだとすれば、眼球運動は観察した行動に対する反応として起こるであろう。本論文で我々は、ブロック積み重ね課題を観察している者の眼の動きと、その課題を実際に行っている者の手の動きの関係は、反応的ではなく予測的であること、そしてその関係は自分自身で同じ課題を行った場合の眼と手の動きの関係に酷似していることを示す。これらの結果は、行動を観察している最中、観察者は手の動きの運動表現によって導かれた眼球の運動計画を実行していることを示しており、従って直接見本合わせ仮説の強力な証拠となるものである。

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