Letter 医学:円柱腫症腫瘍抑制因子の消失はNF-κBの活性化によりアポトーシスを阻害する 2003年8月14日 Nature 424, 6950 doi: 10.1038/nature01811 ユビキチンの結合によるタンパク質の修飾(ユビキチン化)は、細胞周期およびアポトーシスを含む多くの生物学的過程において重要な役割を果たす。ユビキチン結合を媒介する酵素に関しては研究が進んでいるが、細胞基質の脱ユビキチン化を媒介するユビキチン特異的プロテアーゼに関してはほとんど知られていない。我々はこの遺伝子ファミリーを研究するため、50種のヒト脱ユビキチン化酵素を抑制するRNA干渉ベクターを作製し、これらのベクターを用いて癌関連経路における脱ユビキチン化酵素を同定した。本論文では、これらの酵素の中の1つである、機能不明の家族性円柱腫症腫瘍抑制遺伝子(CYLD)を抑制すると、転写因子NF-κBの活性化が増強されることを報告する。我々は、CYLDがIκBキナーゼ(IKK)複合体の構成物質であるNEMO(IKKγとしても知られる)に結合し、TRAF2ユビキチン化がCYLDによって調節され得ることから、TRAF2の脱ユビキチン化を介してその活性を調節していると思われることを示す。CYLDの抑制によりアポトーシスに対する抵抗性が増大することから、CYLDの消失が発癌の要因となる機序の存在することが示唆される。我々は、この作用はNF-κB活性を阻害するアスピリン誘導体によって軽減されることを示す。このことは、アスピリン誘導体の使用が家族性円柱腫症患者での細胞増殖制御の回復に向けた治療戦略となることを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る