Letter 海洋:深海底への植物デトリタスのパルス状供給の行方を示すin situでの実験的証拠 2003年8月14日 Nature 424, 6950 doi: 10.1038/nature01799 地球表面のうち50%を超える領域が水深3,000 m以上の海底である。この領域は全地球炭素循環における主要な炭素貯蔵庫であり、人間活動が生じる廃棄物の最終貯蔵庫でもあるが、その多くでは食物が厳しく制限されているのが特徴である。植物デトリタスは深海底生生物群集の主な食物源であり、年間食物量の大部分は数日以内でパルス状に到着することがある。データの観測・収集に制約があるため、こうした食物供給パルスの行方に関して利用できるデータは散見されるのみで、矛盾があることも多く、全地球炭素モデルの構築や人間活動の影響評価に際して足かせとなっている。我々は11件のin situ実験をもとに、植物デトリタスパルスに対する深海底生生物群集について、最短2.5日間から23日間までの期間中での反応を定量化した。そして本論文で、従来の説とは対照的に、堆積物群集の酸素消費量は短時間で倍増したこと、また最初の有機炭素の分解には大型動物相が非常に重要であったことを報告する。深海堆積物に関して細菌や有孔虫類の反応が遅いことや、微生物の有機炭素の分解が堆積物表面に限られること、および炭素代謝回転総量が低いことは、大陸斜面の「深海」堆積物と異なる、深海堆積物の特徴である。 Full Text PDF 目次へ戻る