Letter 発生:カリン依存性分解による体細胞系列からの生殖質タンパク質の排除 2003年8月7日 Nature 424, 6949 doi: 10.1038/nature01887 多くの動物では、生殖系列が確立されるには、初期の胚形成の際に「生殖質」とよばれる特殊な細胞質を少数の生殖系列前駆細胞に局在させることが必要である。生殖質の非対称性には、卵母細胞や胚の特定領域へのRNAおよび(あるいは)タンパク質の輸送がかかわっている。今回我々は、生殖質の非対称性が、生殖系列以外の細胞(体細胞)における生殖系列タンパク質の分解にも依存していることを報告する。線虫Caenorhabditis elegansの生殖質の成分である5種類のCCCH型フィンガータンパク質が、新しいCCCH型フィンガー結合タンパク質ZIF-1による分解の標的になることがわかった。ZIF-1はE3ユビキチンリガーゼのサブユニットであるエロンガンCと結合するSOCSボックスタンパク質である。in vivoでCCCH型フィンガータンパク質が分解されるには、エロンガンC、カリンCUL-2、リングフィンガータンパク質RBX-1、E2ユビキチン結合酵素UBC5(LET-70ともよばれる)がすべて必要である。体細胞では、豊富に存在するCCCH型フィンガータンパク質MEX-5、MEX-6によって分解が活性化されるが、生殖系列ではPAR-1キナーゼによって分解が抑えられる。生殖質の局在化には、生殖系列タンパク質の生殖系列における安定化と、体細胞におけるカリン依存性分解の両方がかかわっているものと我々は考える。 Full Text PDF 目次へ戻る