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生物物理:極低温電子顕微鏡によるバクテリアべん毛フィラメントの完全な原子モデル

Nature 424, 6949 doi: 10.1038/nature01830

バクテリアべん毛フィラメントは、細菌の走化性などの運動のためのらせん状プロペラ(推進器)である。これは1種類のタンパク質フラジェリンがらせん状に会合したもので、そのチューブ様の構造はL型とR型という2つのわずかに異なる構造をもつ11本のプロトフィラメントから構成され、その結果スーパーコイルを形成する。末端約100残基を欠失したフラジェリン断片のX線結晶構造によりプロトフィラメントの構造が明らかになったが、まだなお完全なフィラメント構造がスーパーコイルと重合のメカニズムを理解するには不可欠である。本研究で我々は、極低温電子顕微鏡法により決定したR型フィラメントの完全な原子モデルを報告する。最高で4Å分解能の像データのみから得られた密度マップにより、主鎖のα‐ヘリックス構造と一部の大きな側鎖の構造が明確に認知できた。マップ上に構築した原子モデルから、入り組んだ分子のパッキングと、フィラメント内部コアにおいて末端鎖により形成されるα‐ヘリックスのコイルドコイルの存在が明らかになった。またサブユニット間に疎水性相互作用がフィラメントの安定化に重要な役割を果たしていることが明らかになった。

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