Letter

数理生物学:アメンボの水上歩行の流体力学

Nature 424, 6949 doi: 10.1038/nature01793

アメンボ類は特性長さが1 cm、特性体重が10dyneの昆虫で、池や川、外洋の水面に生息している。アメンボの体重は、自由表面が湾曲して生じた表面張力によって支えられており、水をはじく左右の中脚をこぐように動かして進む。従来の研究からは、アメンボの流体力学的な推進力は、表面波による運動量の輸送に起因すると考えられてきた。この理論では、アメンボの子どもの脚は波を生み出すには動きが遅すぎて水面を進むことはできないはずだ、というDennyのパラドックスが生じる。本論文では、高速度撮影ビデオと粒子追跡法の結果を報告し、このパラドックスを解く。実験により、アメンボは主として表面張力波によるのではなく、こぐ脚が発する半球状の渦によって、下にある流体に運動量を輸送していることが明らかになった。我々はこの知見を手引きとして、本物のアメンボと同じような水上歩行能を備えた自立型のアメンボ・ロボットを製作した。

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