Letter 脳:学習した聴覚対象を表現するニューロン集団と個々の細胞 2003年8月7日 Nature 424, 6949 doi: 10.1038/nature01731 声によって個体を識別するような聴覚学習行動が、どのように神経系内で表現されているかについては、詳しい報告がない。高等脊椎動物は、容易に識別できて自然界で発生する聴覚対象の連続からなる同種動物の複雑な発声を認識する学習が可能で、高次聴覚路の分析に役立つ。本論文では、成体動物(同種の歌を認識するようオペラント学習を行ったムクドリ)で、学習した同種の発声に選択的に反応するニューロンの最初の例を報告する。非一次性前脳聴覚野にあるこのニューロン集団は、はじめて聴く歌よりもすでに学習した一群の歌に対して強い反応を示し、ランダムな順序で認識訓練を行ったとき、学習済みの歌のカテゴリーに対して他とは異なる応答を示す。ニューロンの中には、学習した歌の中にだけある、特定の音モチーフ(音響対象)に対して高度に選択的に応答するものが多かった。このようなニューロンの選択性は、ムクドリが特定のモチーフに敏感に反応する歌認識行動に寄与しているだろう。この系ではトップダウン的な過程とボトムアップ的な過程の両者が、認識学習の際にニューロンの同調特性を調節し、行動的に意味のある聴覚対象の可塑的表現を成立させると思われる。 Full Text PDF 目次へ戻る