Letter

化学:反応終了時に析出する再利用可能な触媒

Nature 424, 6948 doi: 10.1038/nature01856

均一触媒は、反応物および生成物と同じ相(通常は液体相)内に存在しており、通常、不均一触媒よりも選択性が高く、反応物および生成物の輸送速度が遅いことに起因する制約をはるかに受けにくい。しかし、反応生成物から均一触媒を分離することは、高コストで非効率的となる可能性がある。このことが、均一触媒を回収・再利用しやすくする方法の開発を促してきた。これらの方法として、温度を変化させて混和性を調節すると2つの溶媒の片方に触媒が混和しやすくなる現象を利用した方法もあれば、ある試薬が消費されると、あるいは反応完了後に温度を変化させると触媒の溶解度が劇的に低下する現象を利用した方法もある。今回我々は、ケトンの無溶媒ヒドロシリル化反応用のタングステン触媒について論じる。そのタングステン触媒は、ほぼ全ての液体基質が液体生成物に変換されるまで活性を維持する。次に、反応生成物から析出した触媒を、その生成物を注ぎ出すだけで触媒を分離できる。反応完了まで触媒が溶解性を維持する能力、したがって活性を維持する能力は、この条件以外では固体である触媒の分子1個当り数基質分子を含む一時的な液体クラスレートの形成に起因すると我々は考えている。この液体クラスレートの形成を制御する基本的なプロセスを理解することは、実用的な反応について高効率無溶媒反応スキームを開発できるよう他の触媒および基質を設計するのに役立つかもしれない。

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