Letter

気候:南大洋を原因とする退氷期の大西洋熱塩循環の再開

Nature 424, 6948 doi: 10.1038/nature01855

もっとも最近の2つの退氷期に、南半球はグリーンランドよりも早く暖まった。同時に北大西洋には融水が流れ込み、その融水は一般に、北大西洋深層水の形成を減少させると考えられている。しかし退氷期には、弱い循環の氷期モードから強い循環の間氷期モードへの移行の間、大西洋の熱塩循環は活発化した。本研究では、3次元海洋大循環モデルを用いて、南大洋の温暖化とそれにともなう海氷の後退が大西洋の熱塩循環に及ぼす影響を調べた。我々は退氷期の南大洋の緩やかな温暖化が、熱塩循環の間氷期モードの急激な再開を誘起することを見出した。また、高温(インド洋)と低温(太平洋)の海水の流れのルートを経由して大西洋への水塊輸送が増加することは、この再開の引き金となることがわかった。この効果は、大西洋の熱塩循環の活発化を妨げる働きを持つ氷床からの融水の流れ込みの影響にまさっている。南大洋が引き金となって熱塩循環が間氷期モードに遷移することにより、退氷期の南半球および北半球の気候変化に対する整合的な描像が得られ、これは、現在得られる代理指標の記録とも一致する。

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