Letter 脳:海馬におけるセル・アセンブリの構成 2003年7月31日 Nature 424, 6948 doi: 10.1038/nature01834 神経細胞は極めて正確なタイミングで活動電位を発生することができる。基本的な問題は、その能力が情報処理に使われているかどうか、いるとしたらどのように使われているのかというものだ。「セル・アセンブリ」仮説によれば、解剖学的に離れた所にあるいくつかの神経細胞集団の一時的な同調が、外部から入力される感覚情報および脳内部での認知メカニズム両方の処理の基礎になるという。そうだとすれば神経細胞集団は、感覚入力により共通の修飾を受けることから予測される程度を超えるような同調を示すグループに分けられるはずである。今回我々は海馬の錐体細胞の発火時刻が、動物が空間内のどこにいるかという情報に加えて、同時に記録された他の神経細胞の発火時刻を用いることによって、これまでより正確に予測できることを見出した。動物の空間内での位置に依存するシータ波の位相変調を用いて高精度に発火時刻の予測をした場合でも、仲間の細胞の活動を用いることで、こうした発火時刻の予測精度の改善は同様に維持された。発火時刻を、同時期の仲間の神経細胞の活動から最もよく予測できる時間窓は10〜30ミリ秒であり、セル・アセンブリがこの時間スケールで同調していることが示唆される。この時間窓は、錐体細胞の膜の時定数、海馬のガンマ波の周期、それにシナプス可塑性の時間窓と一致しているので、我々はこの時間スケールでの共同作業が皮質回路における情報伝達および貯蔵に最適であると考える。 Full Text PDF 目次へ戻る