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進化:カリブのトカゲ群集の進化の過程でみられたニッチの不安定性

Nature 424, 6948 doi: 10.1038/nature01814

ニッチ保守傾向(niche conservatism)、つまり近縁な生物種が生態学的に似てくる傾向は広く見られる。しかし、研究の多くは異所的に生じる系統の近縁な分類群を比較したものである。同所的に生じた場合、ニッチ保守傾向を促進してニッチの移行を抑制する安定化の力は、種間相互作用の大きさを最小限にするために生態学的多様性を促がす自然選択によって打ち消されてしまう可能性がある。こうしたことから、群集構造の決定におけるニッチ保守傾向とニッチ多様化の相対的重要性については、これまでほとんど関心が向けられてこなかった。我々は今回、進化の過程で種どうしが長期間にわたって生態的に相互作用をしてきた熱帯産トカゲ群集を調べた。そして、進化による多様化がニッチ保守傾向を圧倒することを見いだした。すなわち、系統的に近接する近縁種はランダムな多様化によって予測される生態の類似度を越えることはできず、また、系統的に離れた近縁種どうしでも生態の類似するものがあり、生態上の類似度と系統上の近縁度の相関が非常に弱い群集となっているのである。このようにニッチ保守傾向が見られないにもかかわらず、このトカゲ群集の生態的構造には系統発生とかかわる要素が1つ見られる。つまり、ニッチ相補効果は系統の離れた近縁種の間でのみ生じている。このことから、種間の生態的相互作用の強さが系統発生と相関している可能性はあるものの、最も強く相互作用するのは必ずしも最も近縁な種どうしというわけではないことが示唆される。

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