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進化:複雑な遺伝子ネットワークの一般特性として見られる進化のキャパシタンス

Nature 424, 6948 doi: 10.1038/nature01765

進化のキャパシター(capacitor)は正常な条件下における遺伝子型の変異に対して緩衝役となり、これによって多型性が隠れて蓄積するのを促す。だが時としてこの緩衝がうまくいかず、それによって変異が表現型として現れることもある。進化のキャパシターの代表例がHsp90で、これは重要なシグナル伝達タンパク質の一群を対象とする分子シャペロンの一種である。ショウジョウバエやシロイヌナズナの実験から、Hsp90に備わる3つの重大特性が明らかになっている。つまり(1)Hsp90は正常条件下では表現型の変動を抑制し、機能に欠陥が生じるとこの変異を解放する。(2)その機能は環境ストレスに打ち負かされる。(3)Hsp90は重要な発生過程において多面発現的な作用を発揮する、の3つである。しかし、これらの特性があることでHsp90が適応の重要かつ特有な促進因子になるのかどうかは不明である。本論文では、酵母の単一遺伝子欠損系統から得られたゲノム規模の発現データに加えて、複雑な遺伝子ネットワークの多数のシミュレーションを使い、Hsp90単独の作用を越えたところまで、進化のキャパシタンスの範囲を広げるような機構の存在を示す。そして機能的に欠陥が生じると、大部分、あるいはおそらく全ての遺伝子が表現型に変異を見せるようになること、また、このように機能に欠陥が生じる変異が起これば、新たな最適表現型への適応が加速されることを実証する。しかし、この作用が発揮されるうえで、変異が環境による条件付けを受ける必要はない。したがって、表現型の変動に及ぼす作用が、環境によって引き起こされるHsp90の体系的な作用を補完するような進化のキャパシターからなる大規模な一群が存在している可能性が考えられる。

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