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生化学:ワルファリンが結合したヒトシトクロムP450 2C9の結晶構造

Nature 424, 6947 doi: 10.1038/nature01862

シトクロムP450(CYP450)は膜結合型ヘムタンパク質で、微生物、植物、動物の多数の種において、生理学的に重要な化合物を代謝する。哺乳類のCYP450は薬剤分子や環境化合物、そして環境汚染物質のような多様な生体異物を認識し代謝する。ヒトCYP450タンパク質であるCYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、そしてCYP3A4は薬剤を代謝する主要なアイソフォームであり、現在臨床で使用されている薬剤の90%以上で、その酸化的代謝に寄与している。いくつかのCYP450アイソフォームでは多形性異型も報告されており、これは個体における薬物の有効性や、薬物の併用と密接に関係している。しかし、ヒトCYP450による薬物認識の分子基盤は明らかにされていない。本研究では、ヒトCYP450の1つであるCYP2C9の結晶構造を、リガンドの結合していない状態および抗凝固剤ワルファリンと結合した状態の両方について示す。その構造からCYP2C9とワルファリンが予想外の相互作用をしていることがわかり、新しい結合ポケットの存在が明らかになった。ワルファリンの結合様式から、CYP2C9は機能する際にアロステリック機構により制御を受ける可能性が示唆された。また、新しく発見された結合ポケットからは、CYP2C9が生物学的に機能する際に同時に複数のリガンドと結合する可能性も示唆され、複雑な薬剤―薬剤相互作用を理解するための分子基盤となりうる知見がもたらされた。

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