Letter 細胞:フィブロネクチンと細胞骨格との間に生じる2‐ピコニュートンのすべり結合(slip bond)はテーリンに依存する 2003年7月17日 Nature 424, 6946 doi: 10.1038/nature01805 マトリックス‐インテグリン‐細胞骨格の結合に働く機械的力は、細胞の生存、形態、器官の機能にきわめて重要である。力の発生は、細胞外マトリックス‐インテグリン複合体が細胞骨格との間に作る分子間結合に応じて決まる。インテグリンと細胞骨格とを連結する最小のマトリックス複合体は、フィブロネクチンのインテグリン結合ドメインFNIII7-10の三量体である。本論文では、細胞内への負荷速度が60nm s-1の時に、2pNの力によって繰り返し破壊される特異的な分子間すべり結合について報告する。この結合は、1個の三量体が結合したビーズで生じるが、単量体を結合したビーズでは生じなかった。in vitroでインテグリン、アクチンフィラメント両方に結合するテーリン1は、この2-pNのすべり結合と細胞骨格のすばやい結合に必要である。さらに、αvβ3インテグリンに対するフィブロネクチンの結合を阻害したり、β3インテグリンを欠失させたりすると、2-pNの力のピークが著しく低下する。従って、テーリン1はまず、密にまとまったフィブロネクチン‐インテグリン複合体とアクチン細胞骨格の間に不安定な分子間すべり結合を形成し、これがフィブロネクチンに弱い力を供給して支えているうちに、多数の結合が形成されるか、あるいは力学的応答を活性化するシグナルが受け取られるのだと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る